『1秒先の彼女』感想 ※ネタバレなし

 

最近、

お話を考えるときに、自分は恋愛要素を入れないということに気が付いた。

 

 

入れたくないならそれでもいいかなと思ったんだけども、

恋愛は人間関係の形態として有り触れている(はずだ)し、

ドラマにもなりやすいので自分としては取り入れたい。

 

でも自分が恋愛に興味がないのか、恋愛関係のはなしを考えられない。

 

 

ということで興味のある恋愛ってなんだろうと考え、

SF要素のある恋愛映画を見てきました。

 

 

〈公式サイト〉

bitters.co.jp

 

 

公式の宣伝文から引用しつつ要約すると、

「人よりワンテンポ早い彼女とワンテンポ遅い彼。

二人の間のちょっとの時差〈タイムラグ〉から生まれる」ラブストーリー

です。

 

映画としては「かわいいあの子のようにならなくても、わたし(観客自身)のことを想う彼がいるはず。だから自分を信じて待とうね」って感じのプリンセス映画です。

 

〇用いる要素のセンスの良さ

郵便局…手紙やモノのやり取りが行われる場、つまり贈与関係の現場、最前線。

コミュニケーションが生まれる場なのでそりゃ面白い。

あと窓口というのも良い。後述するバスもそうだけど、視覚的に明らかな境界線があるモチーフは映像に向いている。

※会話やクレームがやけにリアルだったし経験者がいるのかも

 

バス…乗り物のなかでも最近の映画ではよく使われる印象。車より大きく、電車より自由に移動できる、かつ日常に密接してるから使われるのかな。『恋のクレイジーロード』のバス(というよりあれは『悪魔のいけにえ』のバンのオマージュだけど)でも一度乗ったら降りられない、主人公たちの冒険の比喩として使われてた。

 

乗客たるわれわれは安全が保障された領域

外界は未知が広がる世界

この二つは完全に隔絶されていて物理的に影響は及ばない

けど窓があるので見ることができる。

 

そういう意味では『ミスト』とか『ダーティハリー』のように終盤の絶望感を煽る舞台装置としてはぴったりね。

あとタイムマシンっぽさもあるよね、バスって。

 

ラジオ…主人公のイマジナリーフレンドとしてよく使われる印象。子供なら人形とか妖精とかだけど、大人だし、ラジオみたいな社会的なものの方がなじむのかも。

自問自答をそのままやると面白くなりにくいしなぁ。

 

 

 

 

 

 

〇肝心のワンテンポズレの要素の消化不良感

正直無くても良かったんじゃないかって後半になると思ってきます。

なぜなら、全然別のSF的展開に突入するから。

 

これがあんま良くない。

制作陣の無神経さ?が浮き出てしまっていて、「人間の無自覚の悪意」から生まれる演出を「無自覚で」やってしまっている節がある。

 

 

 

〇結論

要素としては悪くないけれど、SF恋愛映画ではない。